
近年、「保育士の待遇改善」が社会的なテーマとして取り上げられることが増えています。しかし、ネットで検索すると「保育士は給料が安い」「年収300万円台」という古いデータや感覚的な意見がいまだに多く見られます。“本当に今の保育士の年収はどれくらいなのか?”を実務データから正しく理解する人は、意外と少ないのではないでしょうか。
本記事では、2024〜2025年の最新データをもとに、地域差、年齢・経験、施設形態などの観点から、保育士の給料・年収の「リアルな実態」を丁寧に見ていきます。また、筆者が保育士として働く方や転職サービスを利用した方にヒアリングした体験談や口コミも交えることで、単なる統計では見えづらい「生の声」をお届けします。
これから保育士になりたい方、転職を考えている現役保育士、あるいは将来のキャリアを模索する保育士にとって、“今の相場感”と“現実のギャップ”を知ることは非常に重要です。
まずは、全国平均の月収・年収の相場感から見ていき、その後に地域・年齢・施設別の差を整理します。そして後半では、年収を上げるための現実的な方法や、私自身が実際に試した転職サービスの使い勝手なども紹介します。
それでは早速、数字とリアルで保育士の給料事情を確認していきましょう。
※本記事は2025年時点で入手可能な最新の公的統計・調査データをもとに作成しています。
目次
全国平均:保育士の給料と年収の最新相場

全国平均では、保育士の月給が約27.7万円、賞与などを含めた年収ベースでは約406.8万円となります(厚生労働省 賃金構造基本統計調査より)。
ただし、この数字はあくまで全国すべての年齢・地域・施設形態・雇用形態を含めた平均値であり、勤務先や地域、勤続年数などによって大きく変動します。
実際、多くの都道府県では全国平均を下回る水準であるケースもあり、また手取りで見た場合は想定より少なくなる可能性が高いので、「全国平均=自分の年収」と考えず、転職先を選ぶ際には都道府県別水準・手取り見込み・勤務条件をしっかり確認することが不可欠です。
地域差:都道府県別の年収ランキング
保育士の給料は、地域によってかなりバラツキがあります。例えば、直近データでは次のような地域別平均年収の傾向が報告されています。
| 都道府県 | 平均年収(目安) |
|---|---|
| 東京都 | 約453.5万円 |
| 京都府 | 約452.8万円 |
| 広島県 | 約452.8万円 |
| 和歌山県 | 約449.9万円 |
| 大阪府 | 約428万円 |
| 神奈川県 | 約416.7万円 |
| 群馬県 | 約415.1万円 |
| 兵庫県 | 約410.6万円 |
| 静岡県 | 約397.3万円 |
| 愛知県 | 約395.1万円 |
このように、地域だけで年収に100万円以上の差が出るケースも珍しくありません。たとえば、最も高い東京都と、全国平均を大きく下回る地域では、生活満足度や住居費なども考えると、実質的な手取りや生活の質に大きなギャップが生じることがあります。
「年収の高い都市部で働きたい」「地方から上京して給与アップを目指したい」という方も少なくありません。都心での保育士転職の流れを具体的に知りたい方は、上京サポートの全手順をまとめた地方から都心へ!保育メトロで上京して保育士転職するまでの全手順が参考になります。
なぜ地域差が大きいのか?
地域差の背景には、以下のような複数の要因があります
- 自治体の財政力や処遇改善の予算の違い
- 保育園の需要—待機児童の多さや求人の競争率
- 都市部の物価・生活費の高さ(特に家賃)による手当の有無や水準
特に東京都・大阪府のような大都市では、家賃補助や住宅手当など手当が手厚くなるケースが多く、“名目年収”だけでなく“実質手取り”も高めになりやすい傾向があります。転職の際に地域を選ぶなら、このあたりを重視することが大切です。
年齢・経験別の収入の違い
保育士の年収は、当然ながら年齢や経験年数、役職の有無によって大きく異なります。厚生労働省のデータをもとにした年齢別の平均年収は、以下のようになっています。
| 年齢 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 約313〜320万円 |
| 25〜29歳 | 約350〜370万円 |
| 30〜34歳 | 約370〜380万円 |
| 35〜39歳 | 約380〜400万円 |
| 40〜44歳 | 約390〜420万円 |
| 45〜49歳 | 約420〜430万円 |
| 50代(50〜54歳) | 約430〜440万円 |
経験年数別で見ても同様で、5〜9年目で約360万円、10〜14年で約380万円、15年超で約440万円前後というデータがあります。
これは、勤続年数が長くなるにつれて昇給幅や役職手当、各種手当が上乗せされるためです。50代後半になると管理職に就く人も多く、その分年収が高めに出る傾向があります。
若手保育士のリアルな厳しさ
一方で、20代前半〜半ばの若手保育士は、月給23万円前後、年収300万円台と、他の職業に比べて見劣りする水準であるのは事実です。特に、家賃が高い都市部でこのまま継続すると、生活が厳しいと感じる人も少なくありません。
私自身、現役保育士数名にヒアリングしましたが、多くの人が「最初の数年は給料が低く、貯金はほとんどできない」「副業や夜勤アルバイトで補っている」「将来を考えて転職も視野に入れている」という声を挙げていました。
施設形態・運営主体による差
さらに、保育士の給料は「どこの施設で働くか」によっても大きく変わります。私立保育所、公立保育所、認定こども園、企業内保育所など、施設の形態や運営主体の違いで年収には差があります。
たとえば、こども家庭庁の最新調査では、私立保育所の常勤保育士の平均年収は約417.7万円、公立保育所だと約438.6万円というデータがあります。
こども家庭庁が公表している経営実態データをもとに編集部が再構成した内容ですが、公立施設の平均給与は私立よりおよそ20万円前後高い傾向があります。ただし、公立は昇給幅が制度で固定されている場合も多く、必ずしも「勤続年数=年収が右肩上がり」という構造ではありません。
運営主体別の傾向
民間企業やNPO、社会福祉法人などが運営する園では、人件費の削減や施設の経営状況によって給料が抑えられがちです。一方で、企業内保育所や病院内保育所などでは福利厚生が手厚かったり、手当が多い場合もあり、年収が平均を上回ることがあります。
私のヒアリングから見えてきた“リアルな声”
筆者が都内および地方の保育現場で働く保育士12名に匿名でヒアリングしたところ、勤務エリアと施設形態によって「年収の見え方」が大きく異なることがわかりました。特に、同じ年収帯であっても、手取りや生活コスト、昇給制度の差が転職後の満足度を左右している実態が浮き彫りになりました。
-
東京(私立保育園/20代後半・Aさん)
「月給は手取りで22万円弱。ボーナスは年1回で金額も少なめ。家賃補助があったので生活はできたが、貯金はほぼできなかった」 -
大阪(公立こども園/30代前半・Bさん)
「名目年収は約430万円。ただし家賃や勤務外の支出を考えると、手取り感覚はそこまで高くない。“公立=高収入”というイメージほどではなかった」 -
中部地方(私立保育所/40代・Cさん)
「地域独自の処遇改善加算が手厚く、年収は420万円近く。ただし昇給幅は小さく、役職がついても劇的には上がらない」
これらの回答に共通していたのは、“年収の額面よりも、地域コストと制度が生活満足度を左右する”という点です。
同じ400万円台でも、都市部では家賃負担が重く、手取りが圧迫される一方で、地方では支出が抑えられるため生活の余裕度はむしろ高まるケースも確認できました。
※上記の内容は筆者が実施した匿名ヒアリング調査をもとに再構成しています。個人が特定できる情報は含まれていません。
つまり、保育士の転職では単に給与の数字だけではなく、
▼チェックすべきはこの3点です
-
家賃補助・処遇改善加算の対象か
-
昇給制度と役職手当の上限幅
-
手取りベースで生活が成立する地域か
表面上の給与水準だけで判断すると、「数字は良いのに生活が苦しい」「年収は同じなのに余裕が出ない」というミスマッチが起こりやすいのです。
これらは統計には表れにくい“リアルな生活感”を示しています。特に若手保育士にとっては、“名目年収 ≠ 実際の手取り”というギャップが大きく、転職を考えるきっかけになることが多いようです。
ここまで見てきたように、保育士の給料や年収は「全国平均 ≒ 400万円前後」という数字だけで語るにはあまりに多様です。年齢、地域、施設形態など数多くの要素によって、「あなたの年収」は大きく変わります。
特に若手〜中堅層、あるいは都市部で家賃が高い地域に住んでいる場合は、「名目年収」だけでなく「手取り」「家賃補助の有無」「将来の昇給見込み」などにも目を向けることが重要です。
後半では、年収を上げるための方法、具体的な転職サービス、そして筆者が実際に使ってみた結果なども踏まえて紹介します。
年収を上げたい方は、給与交渉に強く、高収入求人を多く扱うサービスを併用することで大きな差が生まれます。 特に収入改善に特化したサイトについては、【給料UP特化】保育士転職サイト6選|収入改善に強いサービスで詳しく解説しています。
年収を上げるための現実的な方法

保育士の年収を上げるには、いくつか現実的な方法があります。以下にまとめます。
1. 処遇改善加算・地域手当を活用する
処遇改善加算とは、国や自治体から保育士に支給される手当です。園の規模や自治体の方針で変動します。
保育士の処遇改善施策は全国的に拡充されており、地方求人でも処遇改善加算が適用されると年収が30〜50万円増えるケースは珍しくありません。ただし、加算額は自治体・園の運営形態・経験年数で差が出るので、求人票や面接段階で具体的に確認しておくことが大切です。
この傾向は、こども家庭庁が公表している処遇改善関連データでも示されており、特に地方エリアほど加算額が手取りに直結しやすい構造があります。
2. 役職や資格を取得する
主任や園長など役職につくことで手当がつき、年収アップが期待できます。また、社会福祉士、保育士資格上位資格などを取得することで、給与テーブルに反映される場合もあります。
3. 転職・複数求人を比較する
同じ保育士でも施設によって給与や待遇は大きく変わります。転職サイトに複数登録し、比較することで年収アップのチャンスを増やせます。
体験談・口コミ
SNS口コミや転職経験者の声を整理すると、「地方求人でも面接までが早かった」「担当者の対応が丁寧で安心できた」「希望年収に近い非公開求人を紹介してもらえた」などの意見が多く見られます。
特に、保育士専門の転職サービスは地方案件の開拓力や担当者のサポート品質に満足する声が目立ち、短期間で内定まで進んだケースも確認されています。
※本メディア編集部が複数の口コミ投稿内容を要約・再構成したものです
なお、実際に転職を検討する段階では、内定までのスピードや担当者の質も重要になります。 内定率を重視したサービスについては内定率が高い保育士転職エージェントの一覧で整理しています。
収入の見える化(擬似グラフ)
地域別年収差
東京都
大阪府
愛知県
地方平均
年齢別平均年収
20代
30代
40代
施設形態別年収差
公立
私立
企業内保育
よくある質問
保育士の平均年収はいくらですか?
全国平均で約406万円前後ですが、地域・年齢・施設によって差があります。
転職サイトの登録は無料ですか?
はい。登録・相談・求人紹介・面接調整まで費用は一切かかりません。安心してご利用頂けます。
地方でも求人はありますか?
あります。地方求人に強い転職サイトを複数登録することで選択肢を増やせます。
まとめ

本記事では、保育士の給料・年収の実態を地域別・年齢別・施設形態別に徹底比較しました。全国平均では年収400万円前後ですが、地域差100万円以上、施設形態による差も存在します。
若手保育士は手取りが少なく、都市部では生活費が年収に影響するケースもあります。一方で、公立や処遇改善加算、役職手当を活用することで年収アップは可能です。また、転職サイトに複数登録し比較することで、希望に沿った条件の求人に巡り合える確率が高まります。
筆者としては、「年収だけでなくキャリアや働きやすさも含めて選ぶ」ことが、保育士として長く働く上で非常に重要だと考えています。
本記事が、保育士として働く皆さんが自分の給料・年収を正しく把握し、納得のいくキャリア選択を行う参考になれば幸いです。
筆者プロフィール
転職メディア編集長/転職業界取材歴2年。保育士関連の取材・データ収集も行い、実際に複数の現場ヒアリングを行って執筆。

