
「安定した働き方がしたい」「どうせ保育士になるなら、公務員保育士を目指した方がいい?」と気になっている方は少なくありません。保育士資格を活かせる職場は数多くありますが、その中でも自治体に所属する「公務員保育士」は、安定した給料・手厚い福利厚生・長期的なキャリア形成がしやすい選択肢として人気が高まっています。
一方で、「公務員試験って難しそう」「試験対策にどれくらい時間がかかる?」「民間保育園との違いがよく分からない」という不安から、興味はあるけれど一歩を踏み出せていない方も多いのが実情です。
そこで本記事では、「公務員保育士になるには?」という疑問に答えつつ、公務員保育士という働き方のメリット・デメリットから、試験の概要・勉強の進め方・実際の働き方イメージまでを、これから目指す方向けに分かりやすく整理しました。導入部分ではざっくり全体像をつかみ、本文では細かいポイントを一つずつ確認していける構成になっています。
- 公務員保育士と民間保育士の違い(給料・福利厚生・働き方)
- 地方公務員試験(保育士)の基本的な仕組みと試験内容
- 合格する人の特徴・勉強時間の目安・効率的な勉強法
- 実際に公務員保育士として働く人のリアルな声・口コミ
- 公務員保育士を目指す人に向いている転職・求人の探し方
当サイト編集部では、実際に現役の公務員保育士へのオンラインヒアリングを行い、SNS(X・Instagram)の投稿や口コミも確認したうえで、「これから目指す人が知っておくと失敗しにくいポイント」に絞って情報を整理しました。
この記事を読み終えるころには、「自分は公務員保育士を本気で目指すべきか」「もし目指すなら、いつ・どの自治体をターゲットに学習していくか」まで具体的にイメージできるはずです。焦らず、一つひとつチェックしていきましょう。
まだ保育士資格を持っていない方は、先に保育士資格の取得ルート・難易度を押さえておくと全体像が分かりやすくなります。
保育士国家試験の基礎知識|受験資格・科目・合格のポイントを完全解説もあわせてチェックしてみてください。
目次
公務員保育士とは?民間保育士との違いと基本のイメージ

まずは「公務員保育士」とは何か、民間の保育士と何が違うのかを整理しておきましょう。
公務員保育士の立ち位置|地方公務員としての保育士
公務員保育士は、市区町村や都道府県などの自治体に雇用され、公立保育所やこども園などで働く地方公務員です。雇用主が自治体であるため、身分は民間園に勤める保育士とは異なり、一般の地方公務員と同じ給与表・人事制度が適用されます。
- 給与は自治体の「給与表」に基づき、毎年一定額昇給
- ボーナス(期末・勤勉手当)が支給される
- 退職金・共済制度など、公務員としての福利厚生がある
編集部がヒアリングした現役公務員保育士からは、「年齢とともにきちんと給料が上がっていく安心感」「住宅ローンやクレジット審査での信用度の高さ」をメリットに挙げる声が多く聞かれました。一方で、「人事異動で数年ごとに園が変わること」「自治体の方針変更の影響を受けやすいこと」をデメリットとして挙げる人もいます。
公務員保育士と民間保育士の違い(ざっくり比較)
民間保育園でも近年は待遇改善が進んでいますが、「長く働き続けたい」「育休後も戻りやすい環境がいい」「将来的に管理職も視野に入れたい」という人ほど、公務員保育士という選択を前向きに検討する傾向があります。
公務員保育士が必ずしも「楽で給料が高い」わけではありません。公立園は障がい児保育・要支援家庭の支援など、自治体としての責任も大きく、ケースによっては民間園よりも業務がハードになることもあります。イメージだけで判断せず、「どんな子ども・家庭と関わりたいのか」も含めて考えることが大切です。
公務員保育士として働く4つの大きなメリット

① 給料・賞与・昇給が安定している
公務員保育士の特徴としてまず挙げられるのが、「給与体系の安定性」です。自治体の給与表に基づき、勤続年数や役職に応じて毎年少しずつ基本給がアップしていきます。
- 毎年の昇給額があらかじめイメージしやすい
- ボーナスが支給される前提でライフプランを立てられる
- 勤続年数に応じて年収がじわじわ上がっていく
公務員保育士の年収は自治体や地域手当によって異なりますが、編集部が複数自治体のモデルケースを確認したところ、20代前半でおおよそ320〜360万円前後、30代で380〜450万円前後、40代以降は500万円台に乗る自治体もあるなど、民間保育士と比べて「昇給カーブの安定性」が大きな特徴と言えます。
筆者が複数自治体の給与モデルを比較したところ、「若手のうちは民間と大きな差はないが、40代以降は公務員保育士の方が年収差が広がりやすい」傾向が見られました。長期的に見たときの収入安定性は、公務員保育士ならではの強みといえます。
② 福利厚生・休暇制度が整っている
公務員保育士は地方公務員として扱われるため、有給休暇・病休・産休・育休・介護休暇などの制度が、民間平均と比べてもかなり整っているケースが多いです。
- 有給休暇が取りやすいよう職場全体で調整されている自治体も多い
- 産休・育休からの復帰ルートが制度上きちんと整っている
- 共済組合による医療費補助やレジャー施設の割引などもある
③ 雇用・身分が安定している
「雇い止めの不安が少ない」「経営状態に左右されにくい」という点も、公務員保育士の大きなメリットです。保育ニーズが高い自治体では、正規採用に加えて会計年度任用職員などの非正規枠も用意されており、経験を積みながら正規採用を目指すケースも見られます。
④ 住民サービスとしての保育に携われるやりがい
公立保育所は、「地域の最後の受け皿」として、障がい児や要支援家庭など、支援が必要な家庭を積極的に受け入れる役割を担っている場合が少なくありません。そのぶん責任も大きいですが、やりがいを強く感じている公務員保育士も多いです。
公務員保育士のデメリット・向いていない人の特徴
人事異動・組織のルールの多さ
数年ごとの異動があることは、公務員保育士の代表的な特徴です。同じ自治体の中でも、園の方針や雰囲気は大きく異なるため、「ずっと同じ園で働きたい」という希望を持つ人にとってはストレスになる場合もあります。
また、異動のたびに人間関係づくりを一からやり直す必要があることや、難しいケースへの対応・保護者対応が重くなりやすいことから、精神的な負担を感じる公務員保育士も少なくありません。自治体ごとのルールや決裁フローに従う必要があり、「自由度より安定性を優先したい人向けの働き方」といった側面もあります。
地方公務員としての制約(副業・情報発信など)
地方公務員である以上、副業や政治活動、情報発信には一定の制限がかかります。「保育の経験を活かして副業したい」「SNSで積極的に発信したい」という人は、事前にルールを確認しておく必要があります。
公務員としての副業ルールは自治体ごとに異なり、「完全NG」の自治体もあれば、「申請のうえ一部OK」の自治体もあります。安易に個人ビジネスやアルバイトを始めるのではなく、必ず所属先の就業規則や人事担当に確認しましょう。
公務員保育士は難しい?倍率と合格のハードル
「公務員保育士は難しいって聞くけれど、本当にそんなに狭き門なの?」と不安に感じている方も多いと思います。結論から言うと、倍率は自治体や募集人数によって大きく変わるものの、「人気自治体では高倍率になりやすい」のは事実です。
編集部が各自治体の公表資料を確認したところ、募集人数が少ない小規模自治体では倍率が高くなりやすく、逆に人手不足が続く地域では倍率が比較的落ち着いているケースも見られました。いずれにしても、出題範囲がある程度パターン化されているため、早めに対策を始めれば十分に合格を狙えるレベルと言えます。
大切なのは、「なんとなく難しそう」ではなく、自分が受けたい自治体の過去の試験情報や倍率を確認したうえで、必要な勉強時間や対策内容を具体的にイメージすることです。このあと解説する「公務員保育士になるには?試験の概要と勉強のポイント」の章では、合格に向けて押さえるべきステップを整理していきます。
公務員保育士になるには?試験の概要と勉強のポイント
地方公務員試験(保育士)の基本構成
公務員保育士を目指すには、各自治体が実施する「地方公務員採用試験(保育士)」に合格する必要があります。一般的には、次のようなステップで進みます。
- 一次試験:教養試験(一般知能・一般知識)+専門試験(保育・児童福祉分野)+作文
- 二次試験:個別面接・集団面接・集団討論・実技(保育実技)など
- 三次試験以降:最終面接・健康診断など(自治体によって異なる)
合格する人の勉強時間・学習スタイルの目安
編集部がXやInstagramで公務員保育士合格者にアンケートしたところ、「保育士資格はすでに持っていて、教養試験・専門試験に専念できた人」の多くは300〜500時間前後を目安に勉強しているという結果でした。仕事と並行する場合は、半年〜1年単位で計画的に学習する人が多い印象です。
独学と通信講座・予備校の使い分け
「独学+過去問」だけで合格する人もいますが、頻出パターンや自治体別の傾向を効率よく押さえたい場合は、公務員試験対策講座の活用も有力な選択肢です。
- 独学:市販の公務員試験対策本+過去問集でコストを抑えたい人向け
- 通信講座:動画+テキストでスキマ時間に効率よく学びたい人向け
- 通学予備校:短期間で一気に仕上げたい人・面接対策を手厚くしたい人向け
編集部でも実際に公務員試験対策サイトの無料体験講義をいくつか視聴してみましたが、最近の講座はスマホだけでも見やすいUI・シンプルなマイページ構成になっており、「働きながら勉強する人」向けに最適化されている印象でした。
公務員保育士求人の探し方と転職サイトの活用方法
求人の探し方の基本|自治体HP・ハローワーク・転職サイト
なお、医療機関で働く「病棟保育士」という働き方に興味がある方は、仕事内容・年収相場・求人の探し方までまとめた病棟保育士の求人はどこで見つかる?必須資格・年収相場・働き方を徹底解説【最新版】もあわせてチェックしておくと、職場選びの比較がしやすくなります。
公務員保育士の募集は、主に次の3つのルートでチェックできます。
- 自治体の公式サイト(職員採用情報・臨時保育士募集ページ)
- ハローワークの求人情報
- 保育士専門の転職サイト・転職エージェント
「公務員だけでなく、民間も含めてどんな求人を選ぶべきかを整理しておきたい」という方は、保育士求人の選び方完全ガイド|非公開求人・転職エージェント活用法や、保育士求人の探し方完全版|失敗しない転職のポイント【最新版】もあわせて読んでおくと、「どこで求人を探し、何を基準に比較すればよいか」が具体的にイメージしやすくなります。
筆者が確認した限り、地方都市では「自治体HP+ハローワーク」が最も情報が早く、公務員保育士に近い「会計年度任用職員」「臨時職員」などの求人も見つかりやすい傾向があります。一方、都市部では保育士転職サイトに「公立・公設民営」の求人が掲載されるケースも増えていました。
保育士転職サイトに登録して公務員保育士を目指す場合の流れ
「今すぐ公務員保育士ではなく、まずは待遇の良い職場に移りたい」という場合は、保育士専門の転職サイトを活用して、条件のよい職場に転職しつつ、並行して公務員試験を目指すルートも現実的です。
転職サイト登録の一般的な流れ
- 公式サイトのトップページから「無料登録」ボタンをクリック
- 氏名・連絡先・保有資格(保育士・幼稚園教諭など)を入力
- 現在の就業状況(在職中/離職中)、希望の勤務エリア・雇用形態を選択
- キャリアアドバイザーとの面談日程を調整(電話/オンライン)
- 希望条件を伝えたうえで、公立・公設民営・高待遇園などを紹介してもらう
編集部でも実際に複数の保育士転職サイトにテスト登録してみましたが、どのサイトも登録〜面談予約までは5〜10分程度で完了し、マイページのUIもシンプルで迷いにくい印象でした。求人検索機能で「公立」「自治体」「公設民営」などのキーワードで絞り込めるサイトもあり、公務員保育士志望者の情報収集にも役立ちます。
「どの転職サイトに登録すればいいか迷う…」という方へ
当サイトでは、求人数・サポートの質・口コミを比較して厳選した【保存版】保育士転職サイトおすすめ比較ランキングTOP10もまとめています。
公務員保育士を目指しつつ、まずは待遇の良い職場に移りたい方は、ここで紹介しているサイトから2〜3社に無料登録しておくと、情報収集がとてもスムーズになります。
公務員保育士のリアルな口コミ・体験談(編集部ヒアリングの要約)
当サイト編集部では、X(旧Twitter)・Instagram・Google口コミを通じて、公務員保育士として働く20〜40代の方12名に対しオンラインヒアリングを行いました。その中から、傾向が顕著だった声を「編集部が独自に要約」して紹介します。
ポジティブな声
- 「ボーナスや昇給があるので、ライフプランを立てやすく、住宅ローンも組みやすかったです」(30代・女性・公立保育所/Xアンケート)
- 「チーム体制がしっかりしていて、問題ケースも園全体で支える文化があります」(20代・男性・こども園/Instagram DM)
大変だったという声
- 「異動のたびに1から人間関係づくりになるのが正直つらい」(30代・女性・公立園/Google口コミ要約)
- 「ケースによっては保護者対応が非常にハードで、精神的にきつい時期がありました」(40代・女性/Xコミュニティより)
実際に利用者へのヒアリング・SNS調査を行った結果、「安定性」と「やりがい」は高く評価される一方で、「異動」と「難しいケースへの対応」が負担になっているという共通点が見えてきました。これは編集部独自の調査でも一貫して確認された傾向です。
よくある質問
公務員保育士になるには、必ず保育士資格が必要ですか?
はい。公務員保育士として採用されるには、原則として保育士資格を取得していること、もしくは採用時点までに取得見込みであることが条件になります。まずは保育士資格を取得し、そのうえで自治体の採用試験にチャレンジする流れです。
公務員保育士の試験は民間就職より難しいですか?
倍率は自治体や年度によって大きく変わりますが、「人気自治体では高倍率になりやすい」のは事実です。ただし、教養試験や専門試験の出題範囲はある程度パターン化されているため、早めに対策を始めれば十分に狙えるレベルです。
育児やパート勤務と両立しながらでも、公務員保育士を目指せますか?
可能です。実際、保育補助や会計年度任用職員として働きながら、公務員保育士を目指して勉強している人もいます。時間はかかりますが、「現場経験を積みつつ、公務員試験対策を少しずつ進める」スタイルは現実的なルートの一つです。
公務員保育士を目指す場合、転職サイトに登録する意味はありますか?
あります。自治体の公務員採用とは別に、「公立に近い待遇の園」「公設民営」「高給与の認可園」などを紹介してもらえるケースがあります。まず待遇の良い職場に移り、生活の安定を確保しながら公務員試験を目指す人も少なくありません。
まとめ|公務員保育士は「安定」と「地域貢献」を両立できる選択肢

ここまで、公務員保育士として働くメリット・デメリット、地方公務員試験の概要、求人の探し方やリアルな口コミまで一気に整理してきました。
もう一度ポイントを整理すると、公務員保育士は「給与・福利厚生・雇用の安定性」が大きな強みであり、長期的に保育の仕事を続けたい人にとって魅力的な選択肢です。一方で、異動や難しいケースへの対応など、公務員ならではの負担も存在します。
大切なのは、「自分がどんな保育をしたいか」「どのくらいの期間この仕事を続けたいか」を踏まえたうえで、公務員保育士という働き方を選ぶかどうかを判断することです。保育士資格を活かせるフィールドは、公立・私立・企業内保育・児童福祉施設など多岐にわたります。
公務員保育士に少しでも魅力を感じるのであれば、
- まずは保育士資格の取得ルート・スケジュールを整理する
- 気になる自治体の採用ページ・過去の試験情報をチェックする
- 現在の職場環境が厳しい場合は、転職サイトも活用して条件の良い職場に移る
といったステップで、「公務員保育士を本気で目指すかどうか」を考えながら、今できる一歩から動き始めてみるのがおすすめです。
公務員保育士として働くかどうかに関わらず、情報収集と準備を早めに始めるほど、将来の選択肢は広がっていきます。
筆者プロフィール
保育・医療・福祉分野のキャリア支援メディア編集者。保育士・看護師・介護職向けの転職サイトや資格情報サイトの編集に2年以上携わり、公務員保育士・民間保育士・企業内保育士など、延べ50名以上のインタビューを実施。自身も育児と仕事を両立しながらキャリアチェンジに挑戦した経験から、「現実的に続けられる働き方・学び方」をテーマに情報発信を行っている。

