
小規模保育園で働くメリット・デメリットを正しく理解することで、自分に合った働き方や転職先を選びやすくなります。 本記事では、小規模保育園の仕事内容や一日の流れ、働きやすさの特徴まで、現場経験者の声と公的データを用いて具体的に解説します。
「小規模保育園って実際どうなの?メリット・デメリットや仕事内容をきちんと理解してから転職したい…」そんな不安や疑問を抱えている保育士さんは少なくありません。
小規模保育園は、0〜2歳児を中心に定員6〜19名ほどの少人数で保育を行う施設で、子ども一人ひとりとじっくり向き合える一方、人員配置や業務量など、働き方のクセもはっきりしている職場です。
国の制度上、小規模保育事業は「0〜2歳を対象とした定員19人以下の地域型保育」と定義されており、待機児童対策として自治体主導で設置数が増加してきました。これは、内閣府が公表している小規模保育事業に関する制度資料にも明記されています。
また、保育士の有効求人倍率は全職種平均を大きく上回る水準で推移しており、直近では3倍前後という高い倍率が確認されています。厚生労働省が公開した職業別求人データでも、保育士は「人材不足が続く職種」に位置づけられており、小規模保育園を含めて売り手市場の状況が続いていることが読み取れます。
一方で、ネット上の口コミやSNSの投稿を筆者が収集・要約したところ、「職員同士の距離が近くアットホーム」「園児一人ひとりと向き合える」といったポジティブな声がある一方で、「人手が少ない園では一人に業務負担が集中しやすい」といった指摘も複数見られました。
つまり、小規模保育園は“働きやすさ”が評価される反面、園によって環境差が大きい点が特徴であり、求人選びの段階で内部情報を確認する重要性が高い職場形態と言えます。
また、この記事では、小規模保育園で働くメリット・デメリット、仕事内容と1日の流れ、向いている人の特徴、さらに小規模園の求人に強い転職サイトの活用方法まで、データと口コミ・筆者のヒアリング内容をもとにわかりやすく解説します。
本記事の内容は、公的機関の統計データ、転職サイトの公式コラム、小規模保育園で働く保育士へのヒアリング、SNSや口コミサイトのレビューをもとに独自に整理・分析しています。
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目次
小規模保育園とは?|定員・対象年齢・制度の基礎知識

小規模保育園と混同されやすい施設に「託児所」があります。実は名称や制度が似ているようで、仕事内容・対象年齢・保育方針が大きく異なるのをご存じでしょうか?
「託児所はどんな働き方なの?保育園との違いは?自分に向いているのはどっち?」と感じた方は、以下の記事で詳しく比較しています。
そもそも小規模保育園とはどんな保育施設なのか、働く前に押さえておくべき制度や特徴を整理しておきましょう。ここを理解しておくと、メリット・デメリットや仕事内容の理解が格段に早くなります。
小規模保育園の運営は、児童福祉法に基づく保育制度の枠組みの中で定義されており、保育内容や運営上の基本事項は国が示す保育指針を基準に整備されています。
保育所保育指針には、保育の目的・環境整備・職員配置など、小規模施設を含む保育現場で求められる基準が整理されており、各園はこの指針を踏まえて運営方針を構築しています。
つまり、小規模保育園は“独自運営”に見える部分があっても、法令と国の保育指針に沿った形で運営されているので、一定の品質基準が担保されている点が特徴です。
小規模保育園の定義と対象年齢
小規模保育園(小規模保育事業)とは、0〜2歳児を対象に、定員6〜19人で保育を行う地域型保育の一種です。
設備や職員配置の基準は国で定められており、例えば保育室の面積は0〜2歳児1人あたり3.3㎡以上などの基準があります。(参照:厚生労働省「関係事業等の概要」)
多くの小規模保育園は、3歳以降は連携している認可保育園やこども園などへ進級する仕組みをとっています。そのため、小規模園は「0〜2歳児の生活や発達をしっかり支える場所」としての役割が大きいと言えます。
認可保育園やこども園との違い
一般的な認可保育園との大きな違いは、「定員」と「年齢構成」の2点です。
- 定員:小規模保育園は6〜19人、認可保育園はおおむね40〜60人以上が多い
- 年齢:小規模は0〜2歳児が中心、認可保育園は0〜5歳児まで在園
- 行事:小規模は大規模園に比べて行事が少ない傾向
小規模保育園=保育の質が低いわけではありません。保育内容は保育所保育指針に沿っており、自治体からの監査や指導も入ります。園ごとの差が出やすいのは「運営法人の考え方」や「職員数・給与水準」などです。
小規模保育園で働くメリット
メリット① 少人数だから一人ひとりにじっくり関われる
小規模保育園最大のメリットは、子どもの人数が少ないため、一人ひとりの表情やつぶやきまで丁寧に拾えることです。
マイナビ保育士のコラムでも、「定員が20人未満で保育士の配置も手厚く、一人あたりの負担が軽くなる」ことがメリットとして挙げられています。(参照:マイナビ保育士「小規模保育園で働くメリット」)
実際に小規模保育園で働く保育士へのヒアリングでは、
- 「子どもの変化にすぐ気づける」
- 「保護者との距離が近く、成長を一緒に喜べる」
- 「担当する子どもの人数が少ない分、余裕を持って関われる」
といった声が多く聞かれました。
上記は筆者が保育士へのヒアリングからまとめたイメージグラフです。実際の配置基準は自治体や年齢区分によって異なるため、転職前には必ず募集要項と園見学で実際の人数を確認しましょう。
メリット② 行事や書類業務が比較的少なく、残業が少なめな園も多い
小規模保育園は、運動会・発表会など大規模な行事が少ない傾向があります。そのため、行事準備に追われて夜遅くまで残業するケースは、大規模園より少ないという声が目立ちます。
「行事準備に追われず、日々の保育と子どもの姿に集中したい」という保育士にとっては、小規模保育園はかなり相性の良い選択肢と言えます。
メリット③ アットホームで人間関係がよい園も多い
小規模保育園は職員数が限られているため、園長や主任、保育士同士の距離が近く、相談しやすい環境が整いやすい傾向があります。規模が大きい保育園に比べて役割分担が明確になりやすく、職員間で目標を共有しやすい点も特徴です。
利用者投稿や口コミ傾向を整理すると、
・「お互いに声を掛け合える雰囲気で、毎日笑顔で働ける」
・「人数が少ない分、子ども一人ひとりとじっくり関われる」
といった意見が目立ちます。これは、園全体で子どもの成長や保育方針を共有しやすいという構造的メリットが背景にあると考えられます。
また、職員数が少ない園では「このチームで子育てを支える」という一体感が生まれやすく、結果として離職率が下がるケースも確認されています。人間関係や職場の空気感を重視したい方にとって、小規模保育園は相性が良い選択肢になりやすいといえるでしょう。
メリット④ 保育士需要が高く、小規模求人も増加傾向
厚生労働省が公表した最新統計では、保育士の有効求人倍率は直近で3倍以上と推移しており、全職種平均(約1.3倍)を大きく上回っています。これは、依然として保育士人材の需要が供給を上回る“売り手市場”が続いていることを示しています。
※数値は厚生労働省が公開した労働市場関連統計を基に、当サイト編集部が要点を整理
待機児童対策として小規模保育園が増えてきたことで、「小規模園勤務」を条件に求人を探すことも以前より容易になってきました。
小規模保育園と認可保育園の働き方比較
| 項目 | 小規模保育園 | 認可保育園 |
|---|---|---|
| 保育士1人あたりの児童数 | 少ないため丁寧な関わりやすい | 多めでクラス運営が中心 |
| 行事負担 | 少なめ | 多め |
| 保護者対応 | 距離感が近い | 標準的 |
| キャリアステップ | 園により差あり | 主任・園長など役職が明確 |
小規模保育園で働くデメリット・注意点
デメリット① 人員配置がギリギリになりやすい園もある
口コミ投稿の傾向を整理すると、
「人手が足りず、保育配置が常にギリギリでバタつくことがあった」
「低月齢児を1人で見る場面があり、心の余裕が持てなかった」
といった声も一定数見られました。小規模園では人員配置が園ごとに異なるので、働き方の快適さは環境次第で大きく変わることが分かります。
このような口コミは、「アットホームで働きやすい」という意見と対照的であり、園選びの際には実際の人員体制やシフト状況を確認することが特に重要だといえるでしょう。
小規模だから必ず楽とは限りません。職員数が少ない分、急な欠勤が出たときに代わりがいない、日によってはギリギリの人数で回す…といった園も存在します。「配置基準+αのゆとりがあるか」「休憩がきちんと取れているか」は必ず面接・園見学で確認しましょう。
デメリット② キャリアの幅が狭く感じることもある
小規模園は0〜2歳児が中心のため、3〜5歳児のクラス運営や就学前教育の経験は積みにくいという側面もあります。
将来的に主任・園長ポジションを目指したい場合、「認可保育園やこども園での経験が求められるケース」もあるので、キャリアプランと照らし合わせて選択することが重要です。
デメリット③ 保護者対応が濃く、距離感が近い
小規模保育園では、保護者との距離も近くなりがちです。毎日の送迎でほぼ全ての保護者と顔を合わせ、細かい相談を受ける機会も多いため、コミュニケーションが得意な人には向きますが、そうでない人には負担に感じることもあります。
デメリット④ 給与・賞与・福利厚生は園によって差が大きい
小規模保育園は、株式会社やNPO法人、社会福祉法人など、運営母体が多様です。そのため、
- 賞与がほとんどない法人
- 退職金制度や住宅手当がない法人
- 人員配置に余裕がなく、給与水準も高くない法人
など、条件面にかなり差があります。
「小規模=ホワイト」「小規模=ブラック」と一括りにせず、求人情報と口コミ、園見学で1つずつ確認する姿勢が大切です。
小規模保育園の主な仕事内容と1日の流れ

小規模保育園での主な仕事内容
小規模保育園での仕事内容は、基本的には一般的な保育園と同じです。ただし0〜2歳児が中心という特性から、以下のような業務が多くなります。
- 0〜2歳児の生活援助(食事・午睡・排泄・着替えなど)
- 月齢や発達に合わせた遊び・読み聞かせ・わらべうた
- 連絡帳・日誌の記入、午睡チェック
- 保護者対応(登降園時の声かけ・相談対応など)
- 簡単な制作物や室内環境の整備
1日のタイムスケジュール例(0〜2歳児クラス)
以下は、筆者がヒアリングした小規模保育園の1日の流れの一例です。
- 7:30〜8:30 開園・順次登園・自由遊び
- 9:00〜 朝の会・体操・手遊び
- 9:30〜 月齢に合わせた活動(室内遊び・戸外遊び)
- 11:00〜 給食(0歳児は個々に合わせて)
- 12:30〜15:00 午睡・午睡チェック・交代で休憩
- 15:00〜 おやつ・午後の活動
- 16:00〜 順次降園・自由遊び・延長保育
行事が少ない分、日々のルーティンを安定して回すことが求められる働き方と言えるでしょう。
小規模保育園に向いている人・向いていない人
小規模保育園に向いている人の特徴
筆者が実際に小規模保育園で働く保育士にヒアリングした結果、「小規模のほうが向いている」と感じる人には、共通するポイントがありました。
- 少人数でじっくり保育したい
- 保護者や同僚と密にコミュニケーションを取ることが苦にならない
- 行事よりも、日々の生活や遊びの積み重ねを大事にしたい
- 0〜2歳児の成長をじっくり見守りたい
「収入アップよりも、保育のしやすさや人間関係を優先したい」という人には、小規模保育園はとても相性の良い選択肢です。
小規模保育園に向いていない人の特徴
- 大規模な行事や発表会の企画・運営が好き
- 3〜5歳児の就学前教育に強く関わりたい
- 役職や園長を目指してキャリアアップしたい(法人・園による)
- 一定以上の年収・賞与を強く重視している
「将来はこども園で年長クラスを受け持ちたい」「管理職を目指したい」という明確なキャリアプランがある場合は、小規模園と認可園の両方の経験を積むルートを検討するのがおすすめです。
よくある質問
小規模保育園は未経験の保育士でも働けますか?
はい。多くの小規模保育園で未経験・ブランクありの保育士を受け入れています。
0〜2歳児中心のため、最初は先輩保育士がサポートにつき、少しずつ業務に慣れていく形が一般的です。未経験OKの求人かどうか、募集要項を必ず確認しましょう。
小規模保育園で働く保育士の年収はどれくらいですか?
年収は法人や地域によって大きく異なりますが、正社員で年収300〜350万円前後が一つの目安です。都市部ではもう少し高い求人もあり、賞与・手当・住宅補助などを含めた総額で比較することが重要です。
保育士バンクなどの転職サイトの登録は無料ですか?
はい。登録・相談・求人紹介・面接調整まで、基本的に保育士向け転職サイトの利用はすべて無料です。費用は採用した園側が負担する仕組みなので、求職者が料金を支払う必要はありません。複数サイトに登録して比較しても追加料金はかかりません。
小規模保育園で働いた経験は、今後のキャリアに役立ちますか?
小規模保育園での経験は、0〜2歳児への深い理解や、少人数保育・保護者対応のスキルとして評価されます。将来、認可保育園やこども園へ転職する際にも十分アピール材料になります。長期的には、小規模+認可園の両方の経験があるとキャリアの選択肢が広がります。
小規模保育園はブラックが多いって本当?
結論として「一概にブラックとは言えない」が正解です。小規模は運営法人による差が大きく、配置基準を遵守している園はホワイト、ギリギリ配置は負担増という傾向があります。
まとめ|小規模保育園のメリット・デメリットを理解して、自分に合う働き方を選ぼう

小規模保育園で働くメリット・デメリットを理解したうえで転職活動を進めると、園選びの失敗が大幅に減ります。
また、小規模保育園は、子ども一人ひとりとじっくり向き合える少人数保育が魅力で、行事や書類業務の負担が比較的少ない園も多い一方、人員配置や給与水準は園によって差が大きく、向き不向きがはっきり分かれる職場でもあります。
メリットとしては、
- 少人数で丁寧な保育ができる
- 行事や書類業務が比較的少なく、残業が少なめな園もある
- 人間関係が近くアットホームな雰囲気になりやすい
- 保育士需要が高く、小規模園求人も増えている
一方のデメリットとして、
- 人員配置がギリギリになりやすい園もある
- 3〜5歳児や大規模園の経験が積みにくい
- 保護者対応が濃く、距離感に悩むこともある
- 給与・賞与・福利厚生は法人によって大きく差がある
重要なのは、「小規模だから良い」「大規模だから悪い」と決めつけず、自分の価値観やライフステージに合った園を選ぶことです。
園選びのポイントは、
・職員数にゆとりがあるか
・休憩がきちんと取れているか
・園長や主任の考え方が自分と合うか
・給与・賞与・福利厚生が生活と見合うか
これらを、求人票+転職サイトの情報+園見学で総合的に判断することです。
小規模保育園への転職を検討している方は、「小規模保育園の求人が豊富な転職サイト」を上手に活用することで、条件に合う園を効率よく見つけられます。
まずは1〜2サイトに無料登録して情報収集を始め、気になる小規模保育園をピックアップした上で、園見学や面接に進むのがおすすめです。
また、転職活動をスムーズに進めるには基礎知識が欠かせません。特にブランクがある場合、書類作成や面接対策で注意点が変わります。そうした悩みは保育士ブランク復帰ガイド|子育て後でも安心の再就職方法で詳しく解説しています。
筆者プロフィール
【筆者の実績】保育士資格保有/これまでに全国100園以上を取材し、園見学や職員インタビューを通じて小規模園の働き方を検証。求人票では分からない現場視点の情報を重視して記事を制作しています。

